父と50年ぶりの再会⑪
心の整理
あの日に遡る
義理の父①
(50年ぶりに再開した父)
8月24日に会って、泣くだけ泣きながら、
自分が誰にも望まれず生まれてきたこと、
昨日までの人生はすべて嘘だとわかったこと、
心の中がぐちゃぐちゃのまま、家に帰って来た。
家のドアノブに、メモ用紙が挟まっていた。
義理の父③からだった。
『ごめん、悪かった。許してほしい。これからは迷惑かけないようにするから。』
と書いてあった。
2本の杖をついて歩くのがやっとの父が、タクシーを使って、そして歩いてここまで来たんだろう、
また、心に重いものがのし掛かってきた。
悲しさと辛さの倍増
そして、わたしの心の中の葛藤が始まった。
許すべきか、許さないべきか、
そして、わたしが母から生まれた子供ではないことを知ったことを隠したまま付き合うべきか、
それとも、すべてをぶつけて、この偽りだらけの家族を崩壊するべきか、
このメモを見て、現実に戻ったわたしは、悶々と悩んだ。
その夜は、勿論眠れなかった。
ただ、唯一助けられた母からのメール。
『よほど腹立つことを言ったみたいだね、ごめんね、機嫌がなおったら電話したね』
と、いつもにはない内容のメール。
自己中心的な、自分のことしか考えない威圧的な言葉が入っていない。
わたしは、支配され洗脳されているから、この状況に置かれてて、母からいただく優しい言葉が嬉しくて、身に染みてしまう。
バカだと思う。
病気だと思う。
騙され続けて、洗脳されて、
もう、目を覚まさないと、
と、思いつつも、このメールの言葉を信用したわたし。
少し時間が欲しかった。
こころを整理する時間。
この時は、その時間を貰えたら、この後に起こる問題は違った方向に向いたと思う。
なぜなら、義理の父③の病気のことや体調のことを、純粋に心から心配してるから。
でも、とてもとても残念だけど、
事態は最悪の方向に動いてしまった。
つづく、