sora-0812の日記

わたし、捨て子なんです(^^;)

父と50年ぶり再会⑧

福井の子

 

 

わたしは父から…

 

藁の上からの養子(もらい子)だと聞いた。

 

母が友だちから、貰ってきて、

父の戸籍に入れて欲しいと頼んだと、

 

 

夫が近くの駐車場に、車を止めて戻ってきた。

恐る恐る私と父が座っているテーブルに近づいて来た。

心配してくれてたんだろうな、

 

いつもになく、神妙な顔をしてた。

私は、笑顔で手招きしてたと思う。たぶん、

 

そして、夫に言った。

『わたしは、貰われた子だったみたい。』

 

って、言いながら、笑ってたと思う。たぶん、

覚えてない。

 

でも、父がね

(父ではなかったけど、そう書きます。)

 

わたしの心を想って話してくれた過去のこと、

 

『自分の本当の娘ではなかったけどね、

一緒に暮らしたからね、本当に可愛かったよ。お母さんと離婚して、みゆきちゃんが大叔母さんに預けられたことを聞き、

往復2時間以上もかけて会いに行ったよ。

まだちっちゃかったら、覚えてないよね、

お母さんが貰ってきた子供だから、置いていって貰うことができなかったのが残念だった。

本当の娘だったら、絶対に離さなかったよ。』

 

みゆきちゃんの名前は、僕がつけたんだよ。それにね、みゆきちゃんは、間違いなくこの福井の子だからね、』って、私の顔を見て笑ってくれた。

 

名付けの親…

福井の子…

それだけで、いいよ。

 

父は、数年前に癌になり、何度も手術を受けたことを話してくれた。

『元気そうに見えるけどね、3日後には、入院してまた大きな手術を受けるんよ。あちこちに転移してるから、今度こそはダメかも…。』

 

わたしは仕事柄、父の話していることを聞き返さずに、すべて理解できてた。

 

わたしが会いに来るのを、生きて待っててくれてたのかもしれない。

そのように、神様が導いてくれたのかもしれない。

 

もう、父と会うことはないだろう、

 

その方が良い。

これ以上迷惑かけれないし、

父の、家族(奥さんや息子さん)に不安を与えたくない。

 

ただね、父は、わたしに本当のことを話す理由は2つあったと思う。

 

わたしのため、でもあるけど、

父の家族を守るため、

 

わかってるよ。

 

ありがとう、話してくれて。

感謝しています。

 

 

父に、お土産いっぱい渡した。

父も、お土産準備してくれてた。

そして、家に帰って行った。

 

それからのわたし、

何も話さなくなった。

話せなくなった。

 

夫も、どう声を掛けたら良いかわからなかったんだろう、

 

無言で、ただただ、側にいてくれた。

 

海の方に一緒に歩いた。

わたしが大好きな福井の海。

子供の頃、よく海で遊んだ。

海で一人遊びが好きだった。

思い出す、

 

 

しばらく二人で歩いてたけど、

日差しが暑すぎて、

倒れそうになり、近くにあったお店に入った

お盆だから、お客さんで溢れかえってた。

 

その時、

携帯電話が鳴った。

 

父からだ、

電話をとると、父の奥さんだった。

 

『初めまして。

みゆきちゃんの話しは、お父さんから聞いてたんよ。

節目節目で、どうしてるだろう、って話してたんよ。会いに来てくれてありがとね、

お父さんはとっても、良い人だから許してあげてね、

人生、みんないろんなことあるからね、負けないでね、

そして、こっちに来たら、自分の家だと思って、帰って来たら良いからね。

私たちも、今は二人で寂しいから、来てくれたら嬉しいんよ。

お土産、たくさんありがとね、

本当にまた来てね、』

 

涙が溢れた。

止まらない。

 

いっぱい我慢してた、

私のインナーチャイルド

みゆきちゃん』

 

耐えられないよね、

家族からの愛を知らないから、

優しくされると、たまらんのよ。

 

周りには、たくさんの人がいた。

声を殺そうとしても、漏れてしまう。

恥ずかしいけど、

止まれない。

 

夫は、タオルを私に、渡してくれた。

ありがたかった

 

口に当てて、噛み締めてた

 

涙が枯れるまで泣いてた

 

来てよかった。

わたしの故郷、

ここで、泣くことができたので、すっきり出来たと思う

 

 

つづく

 

ぼちぼち書いてます🍀